Sponsored Link

2006年秋、東武・信州駅巡りの旅(2)

秋の気配漂い始めた信州路


しなの鉄道・信濃追分駅  軽井沢駅からしなの鉄道の列車に乗り、信濃追分駅へ。旧信越本線中で最高所の駅で、無人化されたが、木造駅舎が残っている。無人化と言っても、暮らしの手帳社刊「あたらさん」の編集部がこの駅に置かれている。大手出版社の編集部が東京から離れた長野県の田舎に置かれるのは驚きだ。古い木造駅舎は古という理由であっさりと取り壊されてしまう場合も多いが、まだ活用できる木造駅舎を活かす事例の一つとしてとても興味深い。
信濃追分駅、杉崎行恭氏の写真展  信濃追分駅で下車したのは、いつもの駅訪問以外にも目的があった。それは駅舎愛好家の第一人者で関連著作もある杉崎行恭氏が写真展を開いているからだった。写真展と言っても、アーティスティックで気取った雰囲気漂うものでもなく、待合室やホームのフェンスに写真を飾りつける野趣溢れる展示で、まさに駅を撮り続けている氏らしいものだった。秋の気配が漂い始めた緑豊かな風景の中、モノクロの駅風景が不思議と映えるユニークな展示だった。
 その後、杉崎氏に普段「あたらさん」の編集部として使われている旧駅務室に招き入れていただき、コーヒーをご馳走になったり、駅や駅撮影などの話をあれこれ聞かせていただき、楽しいひとときを過ごした。
しなの鉄道・小諸駅  信濃追分駅でのんびりと過ごし、予定より後の列車で小諸駅に到着。長野新幹線には逃げられたけど、昔からの駅舎は綺麗に改装され主要駅の風格は残っている。
 小海線の次の列車まで小一時間あるので、構内を横切る長い跨線橋を渡り、駅の南側に広がる小諸城跡「懐古園」を散策。
滑津駅  小諸駅からJR東日本の小海線に乗り滑津駅で下車。一面一線の棒線駅で、遠くの山々の眺めが気持ちがいい駅。
 この駅から徒歩約5分の所に、洋風の学校建築「旧中込学校」がある。駅の階段の下にある道しるべに従って歩き始めた。
洋風木造建築の中込学校  住宅地の中を歩き、道路に突き当たると、左手に旧中込学校の側面が唐突に姿を現した。洋館らしくてっぺんに塔を備えているが、中にあるのは鐘ではなく、太鼓というのがさすが日本的。建設当時は珍しかったガラスが使われていた事からギヤマン学校と呼ばれている。色とりどりのギヤマンの影が薄暗い廊下に映し出された光景は幻想的でとても印象深いものだった。
佐久海ノ口駅駅舎  紅葉の行楽シーズンだけあって、高原列車・小海線は途中駅から団体で満員に。まだピークには程遠いが、時折、色付いた木々が車窓をかすめる。
 木造駅舎が残る佐久海ノ口駅で下車。さあ、駅舎を正面から撮ろうと思ったが、ド≠ェ付くほどの真正面からの逆光だ。しかも晴天で光線は強い。逆光に強いと定評のあるペンタックスのレンズもさすがに苦戦気味。撮影位置を何度も確かめ、逆光と戦う。
佐久海ノ口駅ホーム  駅は2面3線だが、駅舎からいちばん離れた1線はレールが錆び付き使われていない様子。佐久海ノ口駅は海ノ口温泉の最寄り駅で、駅の裏手には温泉ホテルが見える。
 次の列車まで一時間以上もあるので、駅周囲をブラつき、近場の食堂に入って遅めの昼食を採る。老夫婦で切り盛りしている小さな食堂で、昼食ピーク時間帯は過ぎ、私が入店した時は誰も居なかった。しかし、この後、何故か続々と客が入りほぼ満席に。時ならぬ繁盛に、お運びの老婦人が忙しそうに動き回っていた。
川岸駅の駅舎と丸ポスト  小淵沢駅から中央東線に入り。辰野周りで塩尻に行こうと岡谷駅で飯田線の列車に乗換え。途中、川岸駅で下車した。秋になると17時過ぎは、夜の一歩手前の暗さで、SO400のフィルムをISO1600と更に増感して撮影する。帰宅して仕上がりを見たが、増感に強いというPROVIA400Xでも、さすがにISO1600だとザラツキとか写りが厳しい面もあり、夜間の駅撮影が見込まれる時は三脚は持って出るものだと実感。駅前には私が最近撮り続けている丸ポストが鎮座していた。
川岸駅の夕景  夜の帳が降りる頃。今日一日の終わり…、旅の終わりを実感し、刻一刻と夜の姿に変わりゆく風景を、ホームに立ちしみじみと眺める。

Station Photographs‐駅と駅舎の写真館‐(C)solano