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津軽今別駅・津軽二股駅・中小国駅(2)〜JR北海道とJR東日本の境界付近の駅〜


中小国駅駅舎

津軽線と津軽海峡線の分岐駅の中小国。
だけど、津軽線の普通列車しか停車しない
単なるローカル駅に過ぎない。
 
中小国駅へ
 先ほど乗って来た、三厩行きが、蟹田行きとなって津軽二股駅に戻ってきた。この列車に乗って今度は、JR北海道と東日本の境界駅の中小国に向う。
 左手から接近してきた海峡線と合流し、少し走ると、中小国駅に到着した。津軽二股で下車した時の車掌が切符の回収に来ようとしたが、離れた所から私の姿を確認しお辞儀をして、列車に戻る。18きっぷを手にした見慣れない人が、辺鄙な駅に立て続けに下車したため、インパクトが強く「顔バス」となってしまったらしい。
 中小国駅は、JR北海道と東日本、海峡線と津軽線の分岐駅と重要地点のように思えるが、他のローカル線の駅と何ら変わらぬ無人駅で、1面のホームに小さな駅舎と側線、自転車置場があるだけだ。ちなみに、実際に津軽線と海峡線が分岐する地点は、約2.3km先の新中小国信号所で、そこまでは両線の併用区間となっている。
 中小国駅は津軽線のローカル列車が止まるだけで、海峡線の列車は全て通過してしまう。一方、津軽今別駅には快速海峡が数本停車するだけだ。津軽海峡線の列車は、1つ青森寄りの蟹田にほとんどの特急と快速海峡の全てが停車して、運転手、車掌が交代するので、列車上の境界は蟹田と言っていいだろう。
 待合室の扉を開けると、ムッと臭いが篭ったような変な臭いがする。私がいる間、換気でもしておこうと扉を開け放っておく。時刻表を見ていると不意に駅舎に入ってくる人がいて一瞬驚かされた。誰だろうと思って振り向くと、ゴミを回収に来た係員だった。
 ホームと反対側の駅舎の後ろ側には、短い業務用の側線が敷かれていた。だが、長い事使われていないらしく、レールは錆び、バラストに隙間ができている。駅の周辺は、雑木林や駅から少し離れて建物がちらほらと見え、畑か空地と思われる雪が積もった土地が広がっている。
 冷たい風が強く吹き寒いので、開け放っている扉を閉めたら、待合室内の意外に反響がいいのに気付いた。まるでカラオケボックスか浴室にいる気分がしてきて、つい、歌を歌い始めた。歌い続け気分が良くなってきた頃、人の気配がして、窓の外を見ると10代の女性が怪訝そうな顔つきでこちらを見ていた。
 
中小国駅待合室

中小国駅待合室内。
 
貨物列車が中小国駅を通過

これから青函トンネルを潜り、北海道へ
向う貨物列車が中小国駅を通過する。
 
津軽今別駅近くにある青函トンネルの救援施設

津軽今別駅近くの津軽海峡線築堤横に
は青函トンネルの救護施設がある。津軽線
の車窓から撮影。
 
夜の津軽今別駅
 中小国駅から津軽線の終点、三厩駅に行った後、津軽二股駅に戻ってきた。ここからは津軽今別駅に停車する快速海峡11号で青函トンネルを越え、函館に抜ける。
 こんな閑散とした所で、3時間も時間を潰さなければいけないが、通過する海峡線の列車を見たり、なんと言っても道の駅があるのでなんとかなりそうだ。ここから車で約10分の所に「青函トンネル入口公園」があり、青函トンネルに進入、または出てくる列車を見られるが、まだ積雪があり雪で埋もれてそうなので今回はパスした。
 道の駅「いまべつ」こと、半島ぷらざアスクルは道の駅にしてはコンパクトなほうだが、今別町や津軽半島を紹介してあるコーナーや特産品などを販売している売店などがあり興味深い。特に、縦長の円柱状の水槽が目を引く。海に近く、釣りのポイントが近いのか、意外にも、釣り用品が充実していた。
 建物の一角には、レストランもある。だけど、観光はオフシーズンという事もあり、午後も夕方も観光客風の客は居なく、店主と顔見知りの地元の人が時々出入りしていた程度だった。営業時間を聞くと、ラストオーダーが17時半、閉店が18時との事だ。
 少し早めの夕食だが、5時過ぎにレストランの席に座った。メニューをめくってみると、うどん、ラーメンなど変わり映えしないものばかりで、少々期待外と思っていた。しかし、そんなメニューの中に「海草ラーメン」と「いのししカレー」だけが赤字で書かれていて、目に付いた。特にいのししカレーに興味が湧き、店員さん聞いてみると、猪はこの町の名産で、すぐ近くの牧場で育成されているとの事。早速、いのししカレーを注文した。出てきたいのししカレーは見た所、普通のカレーと変わらなく、一口大に切られた猪肉が幾つか入っていた。確かに猪肉は他の肉とは違う味がしたが、意外と癖が無く、美味しく食べる事が出来た。
 閉店時間が過ぎ、いつまでも道の駅にいるのも退屈なので、残りの時間は津軽今別駅ホームに上がった。既に日が沈み、灯り少なく真っ暗に近いホームに1人佇み、心細さを感じる。風が強く寒いので、ホームを一巡りして、下り側の待合室に避難する。列車発車までまだ間があり、退屈と寂しさを紛らわすのに、携帯電話からサイトの自由帳に書き込みをしようと思いついた。だが、アンテナマークの棒の数が少ない上、電波も不安定で、書き込めずじまいだった。
 列車がやってくる時間が近付き、ふと外を見てみると上りホームの待合室の中にいつの間にか中年の女性がいた。19時8分発、青森行きの快速海峡を待っているのだろう。
 快速海峡が2002年12月から特急化されると、今でさえ利用者が少なく、速達化を目指す上で、津軽今別駅が今後どうなるかが気になる。快速なら気軽に乗車できたが、特急となると特急料金が必要になり、特例など対応が無ければ、地元の人が特急の利用を避ける可能性もある。地元の請願による駅であり、将来の新幹線駅の設置を考えれば廃止は無いだろうが、少ない利用者が更に減ってしまうかもしれない。
 海峡11号が定刻の18時54分に津軽今別駅に滑り込み、静寂は破られた。下車した人は居なく、暗いホームから乗車したのは私1人だった。


[2002年3月訪問]
(津軽今別駅・津軽二股駅=東津軽郡今別町)
(中小国駅=青森県東津軽郡蟹田町。※訪問時。現在は外ヶ浜町)
闇夜の津軽今別駅

日が落ち、津軽今別駅に夜の闇が訪れる…
 
津軽今別駅ホームにある待合室

津軽今別駅ホームにある小さく狭い待合室で、
ただ独り海峡11号を待つ。
 

Station Photographs−駅と駅舎の写真館−(C)solano.