Sponsored Link

駅の枯池〜東北地方(2)


板柳駅の枯池


板柳駅の枯池2

 

板柳駅(JR東日本・五能線)
 下り列車に乗り、板柳駅に停止した時、行き違いのため、約5分停車する事がアナウンスされた。それじゃあ、軽く駅舎でも撮影に行くかと跨線橋を渡り、駅の外に出ると…、あった!!東北以北は、冬が長く池が凍りやすいため、駅に池庭や枯池は殆ど無いものだと思っていたが、意外にあっさりと、そして突然に出会ってしまった。「東北に枯池は特に少ない」というのは、私の思い込みでしかなく、もっと多くの枯池が駅に潜んでいるのかもしれない…。
 池の縁は石で囲まれ、笹など植木が植えられた標準的な形だ。木造の駅舎は綺麗にリニューアルされているが、そこだけ、草や植木がボウボウに生え荒れているのが、既に気に留められていない存在という事を強く感じる。
 じっくりと鑑賞したい所だが、列車の出発まであと数分しかない。焦る気持ちを押さえ、カメラをしっかりと握り、何回か角度を変え素早くシャッターを切ると、列車までダッシュした。

[2007年9月訪問]


新里駅構内の枯池


今も枯池に寄り添う花



 


新里駅(弘南鉄道・弘南線)
 駅構内をうろついていると、構内に草でボウボウになっているところがあった。気になって近付いてみると、地面にコンクリートの縁取りがされている窪みがありよく見ると、底の方に水が溜まっていた。溜まっているといっても、中にも雑草が生い茂り、雨水が溜まっているだけという感じだ。
 今まで見てきた中で、最も小さな部類の枯池だが、周りに草花が植えられているのが華やかで、かつては存在感があったのだろうと思わせる。だが、今では草花を手入れする人が居なくなり、小さな枯池を被わんとばかりに生い茂り、雑草や駅舎の蔦など、寂れた風景の中にすっかり溶け込んでいる。駅が無人化されて久しい事を物語る。雑草然とした植込みの中に、赤い花が何輪が残っている。それももうとうに盛りは過ぎたのだろう。池の縁に花が落ちている様子は、散ってもなお、枯池に花を添えようとしているかのようだ。そして、花は腐敗し地に還る…。次の季節も、また同じように花を咲かせ、枯池に華を添えるのだろう。
 何で駅に池があるか解らないが、私はこの池こそ、駅員さんが、乗降客の目を楽しませる駅のちょっとした憩いとして、業務が暇な時に造ったものなのだろうと思う。凝った造形は無く、池の小ささとコンクリートの縁取りが簡素で、片手間に造ったという印象を強く感じる。時々は水を空っぽにし掃除して、ホースを伸ばし、水を入れ替える…。金魚に餌をやり、花に水をあげハサミでチョキチョキと剪定をする…。そんな駅員さんの姿が頭の中に浮かんできた。


[2007年9月訪問]





大船渡線、ある駅の名所案内板の下にある枯池

JR東日本・大船渡線の某駅
 大船渡線を撮影したフィルムを見ていたら、こんなコマを発見。駅によくある名所案内板の真下に枯池があった。2本のポールの根元に、それぞれ小さな池があって、その池は神社に掛かっているような赤い橋で結ばれている。この池に水があった頃は、名所案内板はまるで水に浮かんでいるように見え、乗客の目には、洒落た駅の飾りに映った事だろう。
 だが、この枯池を撮影した記憶が全く無い。この写真を発見した今でも、全く思い出せない。たぶん駅に停車した時、車窓の外に枯池があるのを発見して、思わずシャッターを切ったのだろう。
 最初は摺沢駅の枯池かと思った。だが、自信が無く、一つ一つ状況や推測を積み重ね、確証を得ようとした。フィルムの前後のコマには、列車交換で停車した摺沢駅と真滝駅が写っていたので、両駅を含めたこの区間の7駅の何れかだろう。そして、名所案内板の背後にも番線らしきものが写っているいるので、2線以上のホームを持つ、もしくはかつて持っていた駅と考えられる。そこで調べると、摺沢駅、陸中松川駅、陸中門崎駅の3駅に絞られる。だが、何よりも重要な手掛かりになるのが、名所案内板に記載されている内容だろう。記載された名所の一つに、「猊鼻渓 北東3km バス10分」と書かれいる。そして、改めて地図をよく見てみると…、「陸中松川駅」だ。たぶん、そうなのだろう。背後に側線跡が写り込んでいるが、陸中松川駅はかつて近隣工場への引込み線があり、貨物列車も運行されていたので、その名残りなのだろう。もちろん、名所案内板の「猊鼻渓…」の記述は見ていたのだが、最初、時刻表の単純化された地図を見た限りで、「北東」というのがどうもピンと来なかった。ここでは詳しい記述は割愛するが、大船渡線はルート選定にあたり、地元に有利なルートに敷設しようという思惑を持った政治家達により紆余曲折し、現在の陸中門崎-千廐間で「鍋弦線」と揶揄されるような、大回りの線形となった(Wikipedia・大船渡線・歴史の項目参照)。一応、大船渡線のこういう経緯は知ってたが、今回、見事に騙されてしまった。
 今回の謎解きをきっかけに、陸中松川という駅に俄然興味が湧いてきた。もちろん、枯池をじっくり観察するたにも、いつかこの駅で降り立ってみたいものだ。、

[2006年8月訪問](岩手県一関市)

Station Photographs‐駅と駅舎の写真館‐ (C)solano