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駅の枯池〜東北地方(1)





 
神町駅(JR東日本・奥羽本線)
 戦後、すぐ側に米軍キャンプが置かれ、駅舎もアメリカ的な雰囲気が漂うコンクリート造りの駅舎。
 池は駅舎を左手に出た駐車場外れの空地のような一角にポツリと。灯篭や松なども配され、日本庭園風にしつらえられている。神町駅の歴史を伝えるアメリカ的な駅舎とのギャップが面白い。



[2005年8月訪問](山形県東根市)




末続駅下りホーム側枯池
 
末続駅(JR東日本・常磐線)
 駅舎側のホームは余裕のあるスペースがあり、木々や花が植えられた一角もある。「ありそうな」雰囲気を感じ、ホームを歩いていると、道路と駅を隔てる柵の前に小さな枯池があった。冬のせいで植木が枯れているというのもあるのだろうが、無人駅ゆえ手入れされていないのだろう。木々で賑やかな庭園風の一角は、荒れて雑然としている。

末続駅・駅舎正面の枯池

 
 駅舎の外に出ると、こちら側にも枯れ池があるのに気付いた。使い込まれた木造駅舎の前に、枯池があるのは、古く廃れたものに魅かれやすい私には非常にそそられる光景だ。
 小さな枯池だが、突き出るような背の高い石が置かれているのが印象的だ。もっと近付いてみれば、「海辺にそそり立つ絶壁」のように見えるかなと思い、レンズを構えて接近してみた。が、全くそんな風には見えなかった…。


[2006年1月訪問](福島県いわき市)

木戸駅ホームに置かれた城のミニチュア


木戸駅(JR東日本・常磐線)
 常磐線の下り列車に乗っていて、木戸駅に停車すると、反対ホームにお城のミニチュアが置かれているのが目に入った。ミニチュアと言っても、人の背丈の高さはあろうかという大きさでかなり目立ち、誰でもつい目が引き付けられてしまう程のインパクトがあるものだろう。
 上り列車で折り返している時、再び木戸駅に停車した。やはりあの城に目が行ってしまう。下り列車の車窓より間近で見る事が出来き、何気に見ていると、城の周囲が浅く掘られコンクリートで整えられいる事に気付いた。それはまるで水槽であったかのようだ。城のミニチュアが置かれているとだけでも印象に残るのに、まるで濠を模した、あるいは水上の城を思わせるような凝った展示していたなんて…。そうなると、俄然、この城のミニチュアへの興味が増し、予定を変更して、数駅過ぎた所で再び下り列車に乗り。木戸駅に降り立った。

駅舎側ホームの枯池
 何とか木戸駅に下りる時間を捻出したため、時間的に余裕が無いが、列車が駅舎側の1番ホームへの到着だったため、駅舎を正面からパチリと撮影して、城のミニチュアのある2番線に向かおうとした。跨線橋に向かう時、駅舎横にも小さな枯池があるのに気付いた。池の中程にデンと石が居座り池の底面からは雑草が生い茂っている。池の横には丘の地形を模したのか、コンクリートがこんもりと盛り上がった造形をし、その上に松や燈篭などが配された、日本庭園的な造りだ。
 よくある水が抜かれた枯池と思ってこの池を見ていたが、とても凝った仕掛けがあるのに気付き、思わず唸ってしまった。


枯池に通じる水路


水路(2)



 それは、コンクリートがこんもりと盛られた丘のような造形の部分に、浅い溝が水路が設けられ、枯池と繋がっていたのに気付いたからだった。高い所にプラスチックの管が見え、放水口から丘の上を緩やかに下るように浅い水路が伸び、そして枯池と繋がっている。
 〜水が水路を下るように流れ、その水がやがて水を湛えた池に注がれ、池の中では金魚がスイスイと泳ぐ…〜
 この池が現役の頃はそんな感じだったのだろう。そんな事が頭の中に自然と思い浮かび、とても楽しい気分になってくる。たかが駅の飾りのはずの池に、これほどまでに凝り遊び心に満ちたたものを造ったとは…、しかも上りホームには、ミニチュアの城を配した池まである…。2重で驚かされた。
 まだそれ程多くの駅の枯池を見てきた訳ではないが、ユニークさで西の横綱を池谷駅(JR四国・高徳線)なら、東の横綱はこの木戸駅だろう。
城のミニチュアの溝?
 もっと見ていたかったが、上り列車の時間が迫ってきたので、反対ホームに渡った。あまり時間が無いながらも、城のミニチュアを観察する。他の枯池のように水が張られた池だったとは断言できない。しかし、単に城のミニチュアを展示するのに、わざわざ周りを掘ってコンクリートで整えるのは無駄だし、石垣の下の方だけが色が薄くなっているのは、かつて水に浸かっていたのでは思わせ、隅に排水口と思われる管があるなどの理由で、私はかつてここには水が張られていたと思っている。
 同じ列車を待っていた地元のおばさんが言うには、かつてこの地域にあった城をイメージしたものだという。

[2006年1月訪問](福島県双葉郡楢葉町)


 

女鹿駅の枯池




 

女鹿駅(JR東日本・羽越本線)
 桜咲く時期5月の連休明けに、女鹿駅に第二回目の訪問を果たした。
 1番ホームからあのボロ待合室に上がる階段の左横に枯池はあった。前回の訪問時には全く気づかなかった。でも、殆ど自然と同化してしまっているのでそれも仕方が無い。雑草が生えている斜面に、小さな窪みがあり、そこにカーブが掛かったコンクリートの橋が架かっていたので気づく事が出来た。
 信号所として1962年(昭和37年に)開設され、1987年のJR発足時に駅に昇格した。小さな待合室兼駅舎は信号所時代からのものと思われ、旅客的に有人駅だった痕跡は無い。そして、乗降客は非常に少なく、停車する列車も数本で、秘境駅と称される程だ。そう考えると、そんな駅にも池を造ったのは何故だろうと不思議に思える。駅建設の際に何となくついでに造ってしまったのか…、信号所の係員が手持ち無沙汰に造ったのか…、駅昇格記念に造ったのか…、地元住民が勝手に作ったのか…。謎は深く、それは何故、駅に池庭があるのだろうとういう疑問へと繋がっていく…。
 ちなみに、現在の所、私の知る範囲内でだが、女鹿駅のこの枯池が日本最北端の枯池となっている。
(最北記録を更新しました、詳しくは「東北編(2)へ

[2006年5月訪問](山形県飽海郡遊佐町)
※第1回目の女鹿駅訪問記録
女鹿駅〜たった数秒、視界を掠めた駅を訪ねて〜
 

Station Photographs‐駅と駅舎の写真館‐ (C)solano