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駅の枯池〜九州地方(2)


築城駅駅舎と枯池


築城駅上りホームの枯池


築城駅(JR九州・日豊本線)
 日豊本線の下り列車に乗り、築城駅に停車して何気に駅舎の方を見ていると、上りホームで鶴と亀のが向かい合っているのに気づいた。そしてその周りが窪んでいた。明らかに枯池だ!初め、この駅で下車する予定は無かったが、シュールな佇まいに激しく魅かれ下車しようか迷い一瞬は思いとどまった。しかし、どうしても見過ごす事が出来ず、荷物を鷲掴みにすると、急いで車外に飛び出した。
 跨線橋を渡ると、目の前に、木々が豊かに配置された枯池があった。駅舎に行くには必ず、この枯池の前を通らなければならく、かなり目立つ。
 枯池は木造駅舎など古い駅舎とともに残り、日本庭園風の造りをしているケースが多い。しかし、この築城駅はコンクリート駅舎で、池のまわりに木々がふんだんに植えられているものの、コンクリートの縁取りの直線的な形をしていて、動物園か植物園の展示施設っぽい雰囲気を醸し出している。そのためかコンクリート駅舎との違和感も無い。現駅舎は昭和30年築なので、それ以降に造られたものなのだろう。


枯池の亀

 池から水が無くなった現在も、築城駅に住むカメ。コンクリート造りで、黄色い甲羅というのが毒々しいが、結構リアルに作ってある。


枯池の鶴

 

 そして、こちらは鶴の方。少し劣化していているが、こちらもなかなかリアルな造り。
 鶴と亀はまるで見つめ合っているかのように、お互い正面を向き合っている。次の瞬間、どんな言葉を交わすのだろうか…。いや、お互い正面を向き合い微動だにしないのが、睨み合いをしているかのような緊張感も漂わし、次の瞬間いきなり取っ組み合いの喧嘩でも始めてしまうのだろうかとも思える…。色々、想像を掻き立てられる。

 近くで駅員さんが跨線橋の掃除をしていたので、なんでこんな池があるのかと聞いてみた。すると
「いや〜随分前からあるようだけど、知らないですねぇ(笑)。でも、鶴と亀ってめでたいものだから…」
と、全く解らない様子だった。
 でも、鶴と亀は確かに縁起物だ。もしかしたら駅の平穏と人々の幸福を願って、池にこんなおめでたいものを添えたのかもしれない。だから、決して喧嘩などするはずも無いだろう(笑)

[2007年6月訪問](福岡県築上郡築上町)

 



今津駅の枯池


今津駅(JR九州・日豊本線)
 木造駅舎の残る今津駅で下車すると、正面に枯池が残っていた。少々奇抜な築城駅の枯池を見た後のためか、使い込まれた木造駅舎を背景に、池の周りに敷かれた石や、周囲の植込みと言った昔ながらの駅の坪庭風景がしみじみと心にしみ渡ってくる。
今津駅枯池の水道の蛇口  かつては池に水をなみなみと注いでいた水道が残っていた。しかし、取っ手が外れていて、池が枯れてしまっている事を強烈に再認識させられた。



[2007年6月訪問](大分県中津市)


真幸駅の枯池と駅舎・ホーム

真幸駅(JR九州・肥薩線)
 真幸駅は矢岳越えを控え、山深い秘境駅として有名だが、かつてはホーム上に龍安寺風の石庭があった事でも知られていた。現在では駅舎ホーム側に石庭は移されたが、少々荒れていて、白い砂利の上に、ポツンと岩が残っているのがもの寂しげだ。

 駅舎横に枯池があった。ホームの中央とか、通路の横などと言った、乗降客の目に付きやすい所ではなく、やや端の方にある。おそらく件の石庭の方がインパクトがあり、ありふれたこの池は目立たない存在だったのだろう。
 二つの異なった庭園がある真幸駅はユニークな存在であろう。二つとも寂れているのが物悲しいが…。
 

真幸駅枯池と周囲の植木

 周りには色々な木々が植えられていて、(おそらく)目立た存在ながらも、駅員さん達が丹念に木を手入れしていた様子が目に浮かぶ。池の前にコンクリートの板がベンチのように置かれていた。ちょうど池の正面にあり、まるでここに座ってどうぞ枯池をご鑑賞下さいと言わんばかりだ。有人駅時代はこの池周囲は一般乗降客が立ち入る事が出来ない業務用の区域だったと思われる。きっと駅員さん達が、仕事の合間に、ここに座って池や木々を眺めながら一息ついたのだろう。
 木々の中で、後ろの背の高い木が一際目立つ。多分、植えられた時は小さかったが、いくつもの季節を経て、どんどん成長していったのだろう。真幸駅の元駅員の方が、久しぶりにこの地を訪れたら、この木の成長振りに、年月の流れを実感するのだろう。

苔生す枯池


枯池の大きさは家庭用浴槽程度の大きさで、中に入って鑑賞してみた。水が抜かれてかなり経つのだろう。池の中は苔がびっしりと生い茂っていた。



[2007年6月訪問](宮崎県えびの市)


宮地駅の枯池

 
宮地駅(JR九州・豊肥本線)
宮地駅では2回目の下車になるのだが、前回は全くその存在に気づかなかった。それも仕方ない。何故なら乗客の動線からやや外れた所にあり、人々の視線を遮るように、枯池の周辺には木々が生い茂っているからだ。その立地は改札内で、駅舎の外れあたりにあるのだが、改札の正面にはホームへの構内通路があり、大抵の乗降客はそのルートから外れる事はないのだろう。

噴水もあった

 
 今では枯れ雑草が生い茂るが、池には噴水も設置される程の凝り様。

枯池と転車台

 
レール脇に枯池は存在してると言え、構内にはSL「あそBOY」用の転車台が残っている。
宮地駅から離れる時、この枯池を注視していたのだが、木々の茂り具合もあり意外と目立つ存在である事に気づいた。きっと現役時は、乗客が車内から、噴水が吹き出る池を見て「おお〜っ!」と驚かされたのだろう。

[2008年6月訪問](熊本県阿蘇市)

Station Photographs‐駅と駅舎の写真館‐ (C)solano