| 戦争の副産物 新垂井駅は戦争の副産物だと言える。当時は既に幹線の東海道本線があった。しかし、大垣から関が原は急勾配が続き、補助の機関車の助け無しに超えることが出来なく、迅速に軍用物資を運ぶ妨げになっていた。そこで、軍部の強い意向で、この区間を迂回する勾配を抑えた下り列車専用の別線を建設した。その線上に設置された駅が新垂井駅だった。そのため、下り列車しか停車しないという変則的な駅だった。 戦後も新垂井駅は存続し、下り普通列車は旧来の線の垂井駅、迂回線の新垂井駅のどちらかを経由していた。ちなみに1977年の平日時刻では下りの26本の内の7本が新垂井駅経由だった。新垂井発時刻と行先は、6:51網干、7:26西明石、9:19米原、14:09西明石、17:36関が原(休日運休)、20:13米原、21:35米原と標されている。 1986年の10月31日に新垂井駅は廃止となったが、迂回線は現在でも廃止される事なく、特急列車、貨物列車の下りのバイパス線のように利用されている。 |
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![]() 垂井駅前の観光地図に未だ残る 新垂井駅の表示。 |
青春18きっぷを手にし、東海道本線の列車を乗り継いで、垂井駅に降り立った。駅前に建てられている観光地図の看板を見ると、迂回線上に、未だに新垂井駅の場所が示されていた。たぶん放置状態の看板のため、残っているのだろうが、文字は薄くなり、塗料の痕跡程度でしかないが、一応「新垂井駅」と書いてあるのが認識できる。 新垂井までのバス路線は無く、タクシー代も惜しいので、約4km北の新垂井駅を目指し歩き始めた。 |
![]() 新垂井駅駅舎跡辺り。 |
垂井の市街地を抜けると水田地帯に入った。適当に北に向って歩いてしまったため、散々迷いながらも迂回線が見えてきた。 集落の中に、単線なのに一部たけ架線柱が広い部分があった。そこが駅跡なのかと思い、地元の人に確認し、ようやく新垂井駅跡に到着した。駅前は医者や製材所などの他、十数軒の人家があるだけの静かな所で、周辺には水田などで間隔を置いて人家が散らばっている程度だ。駅舎跡はすっかり草が生し、駐車場だった思われるアスファルトの空き地は、柵で囲まれている。その近くには、ハイキングコースを示した大きな地図が立てられている。山に近く、昔はハイキング目的の乗客も、この駅を利用したのだろう。だけど、今になっては、こんなものを掲げていて、一体誰が見るというのだろうか…。 |
![]() 新垂井駅ホーム。富山行きの特急しさらぎが通過。 |
濃い目のピンク色の花を咲かせているしだれ桜の横を通りホーム入った。とても長いコンクリートのプラットホームだが、廃止から15年近く過ぎ、ホームの所々では、雑草がコンクリートを割り、茂っている。本線上の隣りの待避線横にホームがあったのだが、待避線のレールは剥がされ、本線との間にはぽっかりと空間が出来ている。本線上を富山行き特急しらさぎ号が通過した。 |
![]() ホームには、何本もの桜の木が 植えられている。あと少しで満開。 |
ホーム上には十何本もの桜の木が植えられ、昔は春になり花開くたび利用客の目をさぞかし楽しませていた事だろう。私が訪れた時はほとんどの木が5分咲きで少々残念だったけど、中には満開に近い木もあった。桜の木の下の日陰で、ここに来る途中で買ったパンと赤飯を花見気分で食べた。 駅の周りは数軒の人家と畑で、新緑の山が目の前に迫ってくるような位置にある。とてものどかな風景の中にある廃駅を独占し、のんびりとした時を過ごす。 |
![]() ホームの大垣寄り。 |
ホームの大垣寄りは、隣りの畑から土が崩れてきたのか、コンクリートであっただろうホームは、荒地のようになっていて、雑草が茂っている。足を取られないよう慎重に先に進むが、乱れるように茂る雑草と根っこのような木が続くばかりだ。 |
![]() 新垂井駅トイレの便器? |
荒地と化したホーム大垣寄りを歩いていると、草木の中から、青い物が姿を見せていた。何だろうと、足で草木を掻き分けると、染付けの和式便器が出てきた。いつから打ち棄てられているのだろうか…。駅の古いトイレでは、このような便器が使われているのを何度か目にした。もしかしたら、新垂井駅のトイレで、実際に使われていた物かもしれない。 |
| 反対側に行き、駅を見下ろしてみた。とても長いホームで、先ほど通過した7両編成の特急しらさぎが停まったとしても、余裕がありそうだ。 雑草で覆われている部分は多いが、コンクリートのホームは、時を経ても割としっかりとした、駅らしい姿を保っている。待避線にレールを敷くなど手を加えれば、すぐにでも駅として営業できそうな雰囲気だが、それももう叶わないのだろう。 [2001年4月訪問](不破郡垂井町) |
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![]() 新垂井駅跡を見下ろす。結構長いホーム。 |
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| Station Photographs-駅と駅舎の写真館- (C)solano. |