![]() 新八日市の洋風木造駅舎。湖南鉄道の本社だった駅 で、その風格を感じる。 |
近江鉄道の主要駅の1つ、八日市駅から八日市線の近江八幡行きに乗ると、すぐに新八日市駅だ。八日市市街地に意外い近いが、乗降した乗客はまばらだ。しかし、そんな状況に反し、2階建ての立派な洋風木造駅舎が威風堂々と建つ。パステル調の緑を基調とした明るい感じの駅舎だが、剥げている部分も目立つ。徐々に日が傾き始め、木造駅舎は夕日色に染まり、濃い影に刻まれる。 この駅舎は、八日市線の前身、湖南鉄道の本社が置かれ、近江八幡から伸びてきた線の終着駅でもあった由緒正しき駅なのだ。後に八日市鉄道、近江鉄道と変遷し、八日市−新八日市の連絡線もできると、新八日市駅は衰退していったという。今は2階が使われているかどうかは知らないが、かつては本社の業務で、何かと慌しかったのだろう。 |
![]() 車寄せ軒飾りや装飾が凝っている。 |
入り口の軒の下には凝ったデザインの軒飾りがズラリと並んでいる。軒飾り一つ一つに小さな穴が開き、先がちょこっと尖っているのが面白い。 軒の横には、軒に届きそうなもみの木が植えられた植木鉢がある。この木が洋風の駅舎やこの軒に雰囲気に意外と合っている。このもみの木をここに持ってきた人はなかなかセンスがあるかも。クリスマスシーズンには、飾り付けをしたら、華やかで楽しげな雰囲気になるだろう。他で見た新八日市駅の写真では、この木は、まだ苗木程度の高さだったのだが、成長したものだ。 |
![]() 駅舎内の窓口付近。隣は何の部屋だったのだろうか? |
駅舎内は飲み物の自動販売機やベンチがある以外はがらんとしている。窓口は業務に使われいるが、駅員は朝の7〜9時にしかいなく、ほとんど無人駅と言ってもいい。 持て余し気味の広さの待合室だが、窓口横には更に“隣りの間”と言えるような小さな部屋が、待合室とは扉も無く続いていた。中に入ると、こちらには何も置かれていないベージュと白の小さな空間があった。この空間は今はあっても無くても良さそうな場所だ。ただ、壁には使われていない小さな窓口が1つあった。昔はこの空間が必要とされる程、この駅は賑わったのだろう。売店などお店がすっぽりと収まりそうな空間だが、こうも利用客が少なくては商売にならない。でも、今は無意味な空間に、かつての本社駅の風格を感じる。 |
![]() 駅舎横の古い木製改札口。 |
ちょうど私が訪れた時間には、他にもこの洋風駅舎目的の来訪者が居た。お互い気を使い、譲り合いながら撮影する。 駅舎正面向って左側にはすっかり古び、腐りそうな木製の改札口があった。隣りにあるベンチもなかなか古そうだ。駅舎の周りをぐるりと一周し2階への階段は無いのかと探してみたが見当たらなかった。駅務室内にあるのだろう。 日が沈み、暗くなりかけた頃、この駅を後にした。再びこの地に来た時に、この駅舎と出会える事を願いながら…。 [2003年1月訪問] (滋賀県八日市市。※訪問時。現在は東近江市)) |
![]() 米原行き列車が入線。 |
![]() 傾いた日が木造駅舎を夕日色に染める。 |
| Station Photographs -駅と駅舎の写真館- (C)solano. |