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嘉例川駅(JR九州・肥薩線、木造駅舎)※第3回目訪問


嘉例川駅登録有形文化財記念碑

 今回の2泊3日の九州旅行の最終訪問駅に嘉例川駅を選択。嘉例川駅にはかつて2回来たことがあり、他の駅に行ってもよかったのだが、何となく見たくなり来てしまった。
 百年の木造駅舎は変わらぬ佇まいのまま、私を迎えてくれた。駅舎は2006年に国の登録有形文化財になり、その記念碑がホームに設置された。百年の木造駅舎にちなみ、霧島の百年の杉材を使ったもので、木の駅空間にあって、浮くこと無く馴染んでいる。
 
観光客で賑わう嘉例川駅

 九州新幹線の開業を機に、昔ながらの造形を残した築百年の木造駅舎として鉄道ファン以外にも知られるようになり、すっかり観光スポットと化した。この時も、訪問客が絶えず、誰もが「うわ〜、懐かしい〜」、「昔のままだね」などど感嘆の声を漏らす。
 
駅舎車寄せと回廊付近

 駅の出入口と言えば、自動販売機、電話ボックスなど何かが駅を遮っていたり、ポスターや看板などが掲示されていたりする事が多く、古い駅舎では、それらが趣を大きく損ねてしまう場合が多い。しかし嘉例川駅に、そのような余計なものは一切置かれいてないのがいい。木造駅舎が持つ渋味や懐かしさをしみじみと感じることができる。駅舎は、保存のため旧隼人町がJRから買い取った。有名になり、やや俗化してしまった感はあるが、必要以上に俗化させず、昔のままの雰囲気を保とうとしている事を感じる。
 
トイレ

 駅舎横にトイレが新築されたが、こちらも駅の雰囲気を壊さない木を使った外観に仕上げられた。混雑時は隣接した公民館のトイレもどうぞという掲示があり、訪問者の多さを窺わす。
 
嘉例川駅駅舎・待合室内

 待合室、窓口、木製ベンチなど、使い込まれた木に包まれた味わい深い空間だ。
 
「百年の旅物語かれい川」案内

 嘉例川駅の人気は駅弁「百年の旅物語かれい川」が作られるまでになった。予約制で特急「はやとの風」で販売しているほか、土日は現地でも販売している。人気は高く完売の貼紙が…。これまで3回、嘉例川駅を訪れているが、この駅弁を食べた事は無い。また、名誉駅長として、駅の名物と言っても過言ではない存在の福本氏にもまだ会った事が無い。次回はこの駅で名誉駅長に会い、「百年の旅物語かれい川」をこの駅舎の中で食べる事を楽しみに、この駅を訪れたいものだ。
 
嘉例川駅旧駅務室内部

 旧駅務室内部は広いが、無人化された今、がらんして少々寂しげな雰囲気が漂う。昔は農作作物など、貨物も扱っていて、最盛期は何人もの駅員が忙しく動き回ったのだろう。いくつか、物が置かれているが、普段何に使われているが解らない。大きく改装された様子は見受けられず、窓口裏の造形も昔のままの造りだ。
 
廃ホーム跡

 昔は2面3線のホームがあったが今では、駅舎に面した1面しか使われておらず、島式ホーム方はレールが剥がされている。草が覆ったホームにつつじの花が咲き、まるで庭のような雰囲気だ。
 
ワンマン運転用ミラー

 ワンマン運転用のミラーも駅舎に合わせ渋めに色に塗られ、駅の雰囲気を損ねていない。このミラーのポールや枠は通常、黄色に塗られ、ローカル駅の撮影をしている時、けっこう目立って浮いてしまう位で、画面の中でどう処理していいか、いつも悩んでしまう。こんな細かい所まで配慮し、駅の雰囲気を大切にしようという心意気が感じられ嬉しい。
 
側線跡

 吉松方のホーム先端には雑草に覆われた側線跡が残っていた。その近くには、プレハブの詰所も残る。
 

改札口横の木製ベンチ

 1世紀もの間、幾人もの人がこのベンチに腰掛けすり減らされ…、風雪に晒され続け…。浮かび上がった紋様が、この駅の歴史を語りかけてきているかのようだ。
 きっとこれからもこの駅舎は時を刻んでいくのだろう。だけど、嘉例川駅の駅舎と私は、どちらが早くこの世から消えて無くなるのだろうか…?多分、私の方なのだろう。そうあって欲しい。



[2007年6月訪問](鹿児島県霧島市)
 

Station Photographs‐駅と駅舎の写真館‐ (C)solano