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地名駅(大井川鐵道・大井川本線、木造駅舎)


地名駅の小さなトンネル

地名駅で下車して千頭方を見るとトンネルのような小さな
コンクリートの構造物があった。かつては、このトンネルの上を
貨物用のロープウェイが通っていて、貨物の落下などから
レールを保護するために、小さなトンネルを造ったという。
ロープウェイはとうの昔に廃止され、今では無用の長物と
なっているが、「日本一、短いトンネル」として地名駅の
名物となっている。
 
地名駅の木造駅舎

地名駅駅舎。押縁下見で木製の窓枠を残した趣きある木造駅舎
だが、左半分が駅舎からせり出した変わった構造をしている。
その周りは木の板の塀で覆われた民家のよう。
駅前は細い道が一本通るだけで狭く、歪曲が出来るだけ
出ないように全景を収めにのに一苦労。
 
駅舎出入口横の軒下

駅出入口横には軒が取り付けらた空間があった。
自転車置き場だろうか?しかし、訪問時は何も置かれて
いなかった。
 
地名駅と周囲の風景

辺りは茶畑が広がり小高い山に囲まれている。駅前に設置された
ウォーキングマップを見ると、発電所だったレンガ造りの建物が
残されているという。意外と近くのようなので見に行ってみる事にした。
 
郵便局

駅から道を下っていくと、集落に出た。地名郵便局の前に、
私が追い求めている被写体の一つの丸ポストを発見。
思わぬ出会いに喜びを感じシャッターを切った。
 
レンガの丸窓と桜

歩くこと7,8分、集落の外れに来ると、レンガ造り建物が
目に入った。蔦が這い丸窓のある古いレンガに、桜が寄り添う
光景に心が吸い寄せられた。
 
レンガ造りの東海パルプ地名発電所

発電所跡全景。すぐ側に説明板が設置されていた。この
発電所「東海パルプ地名発電所」は、東海紙料(株)
((現;東海パルプ(株))が自家発電用として明治43年(1940年)
に建設したもので、ドイツ人設計師によるネオルネッサンス様式の
建物。水力発電所で、今の周囲の風景からは想像しづらいが、
往時はこの建物の下を水路が通っていた。その名残の円形の
取水口の跡が今でも建物に残っている。昭和6年(1931年)停止、
昭和27年(1951年)運用再開されたが、昭和36年(1961年)に廃止。
その後、木工所として使われていたらしいが、訪問時、内部はがらん
としていて、使われていない様子だった。
 
地名駅旧窓口跡

発電所を見終え、駅に戻ってきた。
窓口はほぼ原形を留めているが、無人駅となっていて、ミニ文庫が
置かれたり、地図などが掲示されていたりする。
待合室の「注意 熊の出没」と大きく赤い文字で書かれた貼紙が
掲示されていた。一瞬ドキリとしたが、地名駅のある川根本町の話
ではなく、旧金谷町内での話との事。熊が餌に困り人里に
下りてくる事件が各地で頻発しているので、山に囲まれ自然が
近いこの町に、熊がさまよい出てきても不思議ではないだろう。
そのような熊達は畑も荒らすらしいが、大井川鉄道沿線に豊富に
あるお茶の葉にはさすがに手出しはしないのだろうなぁ…。
 
駅舎ホーム側

駅舎ホーム側とホーム。ホームはすれ違いが出来る
2面2線の構造。
 
構内通路

構内通路の向こうには、業務用と思しき小屋があったが、
もう使われていなさそう。
 
旧駅務室内部

旧駅務室を覗いてみた。木製デスクの上には業務用の
黒電話があり、殺虫剤が三本、整然と並べられていた。
そして壁には、列車交換可能駅らしく、タブレットを入れる輪っぱが
壁に掛けられたままだった。だが、無人化され静寂さ漂う駅務室に
掛けられている様子はどこかもの寂しげだ。



[2007年4月訪問](静岡県榛原郡川根本町)

Station Photographs‐駅と駅舎の写真館‐ (C)solano