![]() 岳南富士岡駅で下車すると、まず留置されている廃車体が目に付く。東急から転籍してきた5000系電車で、十年ほど前、私が岳南鉄道に乗りに来た時に乗車したのもこの形式だった。今では元京王の3000系が改造された車両が取って変わっている。 |
![]() この駅の構内に車庫があり、斜めに構内を横切る通路を通って駅舎に向かう時に、こんな池のある坪庭を発見。むさ苦しい程の水草でびっしり埋め尽くされている。横に自動ポンプがあるが、故障し稼動していないらしい。 |
![]() 駅舎内の窓口。3種の高さの窓口があるのが特徴的。現在、実際に使われているのは一つのみ。 パートの中年女性が駅員として勤務しているが、ちょうど帰宅の時間に差し掛かり、下車する人々に「お疲れ様」「おかえり」などと親しげに声をかけ 、下車客もそれに答え、駅から我が家へと帰っていく。その姿は駅員と言うより、おばちゃんが近所の人に声を掛けているという雰囲気だった。それ程、乗降客が多くない上、日常的に利用する人がほぼ固定されているため、顔見知りが多いという事もあるのだろう。雑踏と化した都会の駅ではまず有り得ない光景だろう。無人化されるローカル駅が多い中、駅員の居る駅の温かみに触れ私もホッと癒される心地になる。 |
![]() まるで「どうぞご鑑賞下さい」と言わんばかりに、改札口の横の坪庭の前にベンチが置かれている。天気が良ければ、このベンチに座り池庭の背後を過ぎ行く列車を眺めながら憩うのもいいかもしれない(笑) |
![]() 岳南富士岡駅駅舎正面。木造駅舎だが、多くの部分がトタン板で覆われるなどリニューアルされている。シンプルで素っ気無い造りだが、そんな所もまた面白く、古さを伺わす点にも魅かれる。1951年、本吉原‐岳南富士岡間開業時以来の駅舎だろうか。 |
![]() 左手に売店跡と思われる造りが残されている。しかし、自動販売機が居座り、現在では使われていない |
![]() 先ほどの坪庭を裏側から見てみる。売店跡の裏側に当たる位置だ。木々がいくつも植えられた緑豊かで、駅に和みを与える空間。いちばん背の高い木はみかんの木だ。 |
![]() かぐや姫のイラストが駅舎側面の壁いっぱいに描かれている。竹取物語で、帝はかぐや姫から贈られた不死の薬を、駿河の日本で一番高い山で焼くように命じた。その山こそ富士山で、「不死」が富士山という命名の由来になったという説もある。この駅からも富士山が見られるのだろうが、悪天候のため、残念ながら見る事が出来なかった。 |
![]() 岳南鉄道沿線は工場が多いが、この駅の周りには住宅も多い。 |
![]() 訪問時は台風が接近していて、強い雨が地を打ち続け、暴風が坪庭の木々を激しく揺らしていた。 長時間駅に居て、しかもこんな坪庭にしつこくレンズを向ける私が珍しい事もあってか、件の女性駅員に話し掛けられた。何でこんな物が作られたのか聞いてみたが、随分と前からあるらしく、やはり理由は知らないとの事だった。もっと坪庭の手入れをしたいが、自動ポンプが壊れてしまい手間が掛かり、そして、パートの限られた時間の中で、あれこれするのは難しいと残念そうだった。あと駅前の溝に大き目の魚が数匹迷い込んできて、この池に移したが、池が小さく酸欠で直ぐに死んでしまったという、エピソードも伺う事ができた。 [2007年9月訪問](静岡県富士市) |
| Station Photographs‐駅と駅舎の写真館‐ (C)solano. |